タケコプターにしても,空飛ぶ魔女のほうきにしても,個人のための空飛ぶ道具というのを,人間はまだ開発していない。個人がみんな空を飛びだしたら,そりゃあもう,大騒ぎになってしまうからな。
米国の航空機会社,モラー・インターナショナル社(本社カリフォルニア州デービス)は,近く空飛ぶ自動車「スカイカー」の最初のテストを行なう。スカイカーは1回のガソリン給油で1500キロほどの距離を時速560キロあまりのスピードで飛行でき,将来的にはコンピュータによる自動操縦をめざしている。価格は当面のところ99万5000ドルとのこと。
車がいくらエコを取り入れても安全面を強化したとしても,排気ガスを出しながらいざとなれば人をなぎ倒して走り続ける殺人兵器であることにかわりはない。みんながよく見た未来予想図では,車は空中のチューブの中を飛んで走り,どんなガスも出してはいない。このニュースは,まず空中を飛ぶことを実現してくれそうだ。560キロも速度が出たら,いったいどうなることかわからないが,まずは交通整備のためにその予想図のチューブのような道路ができるんだろう。普通の道路も走れる「スカイカー」は,ちゃんと製品化されれば,徐々に未来を切り開いてくれるかもしれない。
それ以前に,まるで夢を実現してくれたようでわくわくするじゃないか。個人が自由に空飛ぶための道具はいままでひとつも開発されていない。そりゃあみんなが空を飛びだしたらエライ騒ぎになりそうだから,なんらかの規制が入るか,またはとっても高価なものとなるか…。とにかく実現しそうだという事実だけが提示された。実用に向けての問題はまだまだ先にあるけども。前回取り上げた電子レンジとおんなじで,未来はとっても近いようで嬉しくなるねぇ,ホントに。
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